2013/07/27

モータースポーツとグライダー

アルゼンチン・ショック


 チャオ! グラーシアス、ベサメ・ムーチョ、アディオース! 今回はアルゼンチンクルーとの出会いをお伝えしましょう。



 写真はアルゼンチンチームのチームマネージャーの フェデリコさん。ポーランド・ナイトでお祭り騒ぎのこの日、ビール片手に我らが日本チームのテーブルに押しかけてきた彼に、まるは色んな質問をぶつけました。“飲み”という名のインタビューです。

 驚かされたのは彼らの待遇。世界選手権はもちろん欧州選手権クラスになるとオリンピック参加と同じ扱いになるそうです。大会参加のための休みは公休扱い、開催地への往復航空運賃は協会から支援がでるとのこと。来年の世界選手権にも各クラス2名の派遣が決定しているのです。まるは文字通り目をまるくしていました。

 日本ではクルーはおろかパイロットですら自分の有給を使い、費用も自腹です。今、丸山家では赤石の協力のもと「3年計画」を実行中。もう道半ばまで来ていますが、来年の世界選手権までにかかる費用はかなりのもの。特にクルーを含む選手の渡航費用とグライダーのレンタル費が高額で、通常一般家庭で家族の理解を得られる額ではありません。

 近年、南米アルゼンチンやチリがグライダー競技の誘致に精力的なのはまるに聞いていました。実際にセイルプレーングランプリを含むワールドの大会が開かれ始めています。でも、このように個人が世界に打って出る活動にまで手厚いバックアップ体制があるとは…。彼らのスカイスポーツに対する本気度が伝わってきました。



モータースポーツと比べてみて


 日本はグライダーよりずっとメジャーなモータースポーツですら、ドライバーが交換タイヤの費用捻出にヒーヒー言っている状況です。スカイスポーツはさらに厳しい状況といわざるを得ません。これを変えていくにはスカイスポーツをもっと身近で露出度の高いものにしていく必要があります。

 ちなみに、モータースポーツの世界はバブル期にF1だなんだと持てはやされましたが、バブルが崩壊すると多くの企業は見向きもしなくなりました。それを攻めるつもりはありませんが、理由はよく分かります。

 それは、モータースポーツが「文化」として根付いていなかったから。クルマ、自転車、船、飛行機あど、工業製品を媒介にするスポーツは、それが人々の意識や生活とどう結びついているか、が大切なキーワードだと思います。

 馬車のレースがあった国にはスピード競技が、アウトバックの国にはオフロードレースが、ガソリンを湯水のように使える国には大排気量車のレースが根付くように、競技にはその国の文化的背景から来る必然がある程度必要だと思うのです。

 では日本でお茶の間に浸透したスピード競技って何でしょう? 在りし時のF1? 考えてみてもそんなにスラスラ出てこないですよね。クルマにこだわらなければ「駅伝」というキーワードも浮かんで来ますが…。でもなぜ駅伝がお茶の間に届いたか、その理由は理解しておく必要があると思います。

ニッポンに根付くスポーツは?


 じゃあ日本のお茶の間に根付くモータースポーツはないのか? あるじゃないですか。誰もが感心を持つ世界トップの技術が。日本は今省エネの文化を世界に先駆けてクリエイトしています。これをお爺ちゃん婆ちゃんから主婦、草食系男子の心にまで響くような競技にクリエイトできたら! 新車の販売台数をも大きく左右するような人気スポーツになるかも知れません。 今はパワフルだからカッコイイんじゃないんです。速いだけでリスペクトされるワケでもないんです。いかにエネルギーを無駄に使わず速く効率的に走れるか、いかに環境に優しいか、のほうが感心を集めているのです。

 その意味で、グライダーも現代にマッチしていると思います。風を操り、上昇気流を糧にしながら音もなく静かに空を滑るグライダーは、現代的、社会的教官を得られる素地は十分に備えています。

 でも、いまひとつ楽しさを伝えられない。離発着のルーチンワークを覚えたその先を魅力的に見せられない。そして日本ならではの飛び方や日本ならではの楽しみ方を発信できていない…。

 だからこそ世界の最先端の飛び方を、日本に取り入れられる可能性を、そして応用できる可能性を、肌で感じながら培っていく必要があるはずです。

 世界で活躍する選手が生まれれば注目を浴びます。日本に興味を持ってもらうこともできます。考えて見てください。「日本の空が面白い!」と世界のグライダーパイロットが意識し始めたとしたら。

 アジア選手権が開かれ、世界選手権が開かれたとしたら。夢物語のようですが、世界と情報交換はリアルタイムで行われ続けてこそ意味があると思います。

 実際にまるは今回多く、の選手から質問を受けています。「オンラインコンテスト(スカイスポーツのGPSログを公開するサイト)に最近日本の情報が出始めているけど、日本のソアリングはどうなんだ?」と。

 さあ、あなたなら各国のトップランカーにどう答えますか? いつまでも判を押したように「日本のソアリングはローカルに限定され、クロスカントリーは難しい」と言い続けますか? 

 まるがやっていることは小さなことかも知れません。でも選手権に選手がいるのといないのとでは与える印象は全く違います。そして得られる情報量も全く違います。今回始めて参加して私はそれを実感しました。

 ヨーロッパでは、どんどん若手の世代交代が進んでいます。今回のヨーロッパ選手権ではスタンダードクラスで20代が24%にもなっていました。ニッポンはただでさえガラパゴスなのに、世界への扉をこちらから閉じてはいけません。

実際には、私はこんなたいそうな意識を持ってクルーをしていたわけではありません。でもまるはきっとそう思ってます。だからこそ競技を通じて、雑談を通じて、日々のFacebookやブログを通じて小さな国際交流を進めているのだと思います。
まずはできることから、です(河村)

ヨーロッパ選手権 閉会式 & Party!

競技を終えたオストローの滑空場に迫る夕闇。日没は21時。
ちょうどその時間に閉会式とパーティーが始まります。

 閉会式が始まりました。マイクの前は審査委員長のブルーノ(Bruno Ramseyer)さん。いよいよ表彰式です。
*ブルーノさん(アイルランド)は1964年に来日したそうです。目的はなんと「東京オリンピク 背泳ぎ200m」に出場するため。 アイルランドの代表選手だったんだそうです。驚き!


まずはクラブクラスから。
優 勝:Roman Mracek (チェコ)STD Cirrus G
準優勝:Jakub Barszcz(ポーランド)Brawo
3 位:Lukasz Blaszczyk(ポーランド)Jantar STD3
※右端は機体名です。
















 次はまるが参加したスタンダードクラス
優 勝:Sebastian Kawa(ポーランド)Discus 2a
準優勝:Łukasz Wójcik(ポーランド)Discus 2ax
3 位:Paweł Wojciechowski(ポーランド)LS 8
優勝のセバスチャン・カワ選手は9353ポイント。まるは5860ポイントで33機中26位相当でした。慣れぬ前半はともかく、中盤で波に乗るかと思ったのですが、ラスト3日間で順位を落としました。
今回、まるが苦手としたのは積雲がポコッと独立して選びやすい空ではなく、空一面を積雲が埋め尽くすような条件でした。「どの積雲をどう使えばより早く飛べるのか…」。最後の3日間はだだっ広い平野に積雲だらけ、という日本と全く異なる状況に戸惑い、ライバルに差をつけらあようです。
赤石と私は課題がハッキリしたのでむしろよかったのではないかと思いました。ただし、これを克服するにはオーストラリアなどの平野が続くシチュエーションでの訓練が必要になるかもしれませんね。




 最後は20mクラスの表彰です。
優 勝:Wolfgang Janowitsch & Andreas Lutz(オーストリア)ARCUS M
準優勝:Wim Akkermans & Dennis Huybreckx(ベルギー)ARCUS M
3 位:Florian Theisinger & Thomas Starck
(ドイツ)DUO DISCUS XLT















閉会式後はパーティでした。まると赤石はそこに日本酒やら日本のおつまみなどを持参し、会場内に勝手に日本の食事コーナーを作ってみんなにお酒を振る舞ってました。日本酒を知ってらっしゃる方は少なくて、最初はおそるおそる口をつけているのですが「ラ イス・ワイン」と聞いてグイッと飲む方も多かったです。この日、さらに多くの方、多くの国と交流できました。本当に貴重な経験です。
 勝手に「JAPAN NIGHT」スタート!













ベルギーチームも「カンパイ!」
役員&イギリスチームのチームマネージャーさんも「カンパイ!」

 柿の種について熱く語る赤石。
聞き手も真剣!
 スタッフもやってきた!
エレファント(というニックネームだそうだ)はSAKEが気に入った模様。

「Hi! Maru!!」と声をかけてきたのは
ヤコブ(Jakub)。会ったのはこの時が初めてだったけど、すでにFacebookではまるとお友達だったのです。大会中も「Go!Go! Maru!!」とメッセージ入れてくれてました。
*ヤコブさんはポーランドのナショナルチームジュニア代表で今週末からレシュノで行われるジュニア世界選手権にポーランド代表として出場します。頑張れ!

「Go!Go! Jakub!!」




まるがフライトログを投稿しているOnline Contest をチェックしたというJan。「日本であんな距離飛行ができるなんて知らなかった!」と興味津々で話しかけてきてくれました。フライト談義にも花がさきます。日本の皆さんもどんどんオンラインコンテストにアップロードして、日本のグライダーの可能性を世界に広げましょう!






 オランダチーム。オレンジが目立ちます。「SUSHI」が好きだそうですが、今回は用意できなかったので「さきイカ」をご紹介してみました。





 レスキューの仕事をしているPiotr。
震災時は福島に来てくれたのだそうです。感謝ですね。


Cat Girlはアダムさんの次女。ポッキーに夢中!
肩車しているStanislawさんはレシュノで
曳航パイロットをしていて写真も撮ってくれています。


写真が多すぎてすべてお披露目できないのが残念!宴は深夜まで続いていました。

(河村&丸山&赤石)

2013/07/26

世界選手権が行われるレシュノを偵察

レシュノへドライブ


さて、ポーランドのナショナルチーム・コーチのインタビューテント村の視察、そしてスーパーへのお買い物と忙しく過ごした15日月曜日でしたが、まるはもうひとつのミッションを実行しました。それは、来年夏に世界選手権が行われるレシュノの偵察です。

 ひょっとしてこのヨーロッパ選手権に続き、ワールドの大会もポーランドで行われるの? と思ったあなた。するどい!! というか、まるがこの春に参戦した「プレ・ワールド大会」もレシュノでしたね。覚えていましたか?

 レシュノはここオストロウの町から直線で約90kmほど西にある町です。クルマなら約1時間半の行程。まる、赤石、河村の3人が運転を交代しながら行ってきました。私にとってはヴロツラフの空港から宿泊拠点のオストロウまで走った初日依頼の長距離移動。それも昼間のミッションとあって、ポーランドの道を堪能することができました。

 まず感じたのが町の中心を迂回するバイパスがないこと。それ故に小さな町でも通り過ぎる度に中心街へ誘導され、道が細くなって速度を落とさざるを得なくなります。とは言えすぐに郊外に出るのでストレスはさほどありません。路面は良かったり悪かったり。でもレシュノの町へ近づくと写真のように快適な道になりました。高速道路も未完のところが多く発展途上なので、あと数年したら大分様変わりすると思います。


滑空場の広さに仰天


  まず最初に訪れたのはレシュノの滑空場です。私はオストロウ滑空場の広さに度胆を抜かれましたが、それよりさらに広いかも! という印象を受けました。東西南北どの方角からの着陸も指定できそうな広さです。試しに、学生グライダー選手権が開催される妻沼滑空場と同縮尺で切り取ったGoogle Map を用意したのでご覧ください。

レシュノ(ポーランド)世界選手権大会開催地
Leszno_Poland
 オストロウ(ポーランド)欧州選手権大会開催地
Ostrow_Poland
Same scale as Leszno.



妻沼滑空場(日本)全日本学生グライダー選手権開催地
Menuma_Japan
Same scale as Leszno & Ostrow.




地理的な位置関係はこちらをご参照↓
ちなみに、この グーグルマップ はオープンです。誰でも閲覧、編集可能です。
想い入れのある滑空場の追加など、自由に編集していただいて結構です。
This Google map can be edited freely.

 私は、先人達が文字通り切り拓いて造り上げた日本の滑空場に文句を言うつもりは全くありません。ただ、欧州選手権に参加してひとつだけ実感できたことがあります。それは、着陸帯の太さからくる運営サイドの余裕です。それは大会参加機数の多さにも直結しているはずです。

3機同時に着陸中。でも滑走路にはまだまだ余裕がある。


 この欧州選手権では、ファイナルグライドで突っ込んでくるグライダーが一度に5、6機視認でき、それがそのまま滑走路に着陸して5分くらいその場所を塞いでいるなんて状況は日常茶飯事です。でも、だからといって大会ピストが着陸を中止させたり、注意を頻繁に呼びかける、なんてことはありません。ただただパイロットが開いたスペースを見つけ勝手に降りるのに任せていました。それが、できるだけの広さなのです。

 ここで、グライダービギナーの方のためにもう少し詳しく説明しておきましょう。

 グライダーは、動力を持った飛行機のように地上を自力で移動することはできません。着地してブレーキをかけるなどして慣性を失うと左右どちらかの翼端をチョコンと地面に着けてそのまま動けなくなってしいます。そうすると滑走路の中ではただの障害物になってしまいますし、パイロットひとりで動かせるものでもありません。

 そこで登場するのがグランドクルーです。彼らが降りた機体の脇にクルマを寄せ、グライダーの翼端とお尻に車輪を着け、そしてクルマに繫いで滑走路脇に避難させるのです。ですから滑走路上に5機あれば5台のクルマも進入します。そんな最中にも次々降りてくるグライダーが避けてあまりある空間が確保されていたのに驚いたワケです。

 日本の滑空場は主に河川敷などを利用しており、スペースの問題から横幅に制約を受けることが多いのですが、いつの日かこのくらいのスペースを持った滑空場が現れ、さらに大きな大会が招致できるようになるといですね!


滑空場にホテルが併設されている


 滑空場の建物はこれまた大きく立派です。やはり日本の河川敷の滑空場が増水時に被害を被らないよう建物を土手の外に配置しているのに対し、平野の滑空場では格納庫や建物が滑走路に隣接して配置されます。レシュノでは管制塔のような設備もありました。とはいえ、大会時のピストは日本の同様着陸帯のすぐ脇に設置されるようです。


こちらが玄関です。GLIDING HOTEL LEZNO(グライディング ホテル レシュノ)と書いてあります。そう。建物の奥は宿泊施設になっているのです。まるもこの春のワールドプレ大会の初日はここに泊まったそうです。




 入り口を入るとすぐ右に受け付けカウンターがあり、スタッフが常時座っていたのにまず驚きます。そしてすぐ左側、滑走路を見渡す側にはご覧のようなカフェがあります。写真は入り口だけで中の様子は撮影してきませんでしたが、なかなかお洒落で広いカフェでした。






来年お世話になる秘密基地



 続いて訪れたのは来年夏に日本チームの本拠地になる借家です。写真右側の黄色い建物がそうです。まるはこの辺りの準備がとても早く計画的。この欧州選手権で競技がキャンセルされる日に確認できるよう、予め計画していたのですね。

 オストロウの借家は完全に住宅地の中で近くに店も何もありませんが、レシュノの借家近くにはレストランがあります。「TYSKIE」はビールの銘柄。この看板が掲げられている建物は何らかの食事をサーブする所と思って間違いありません。屋根上に自転車を配置して花壇にしていました。可愛らしいですね。



選手とグランドクルー


スーパーで買い物をする赤石とまる
 さらにレシュノでは食材や生活用品の買い出しに便利なスーパーの位置も確認。まるはきっと世界選手権に来て欲しい赤石に見せていたのだと思います。

 やっぱり女性は、そして奥さんの存在は別格です。僕ら男同士でも炊事洗濯はこなしますし、クルマの運転も力仕事も赤石よりは役に立ちます。



 でも料理やまるの体調管理はそう簡単に真似できません。それに、生活を彩る “華” までは演出できません。いや、むしろ僕やザッキーが “それを演出できるようになったら赤石が困ると思いますが(笑)。いずれにせよ女性の力はとても大きいです。

 そして私は今回始めてグランドクルーを体験させてもらって、前半戦ひとりでクルーこなしながらブログをアップし続けたザッキー(福崎)の精神力に脱帽しました。

 まるはパイロットとして必要な睡眠を7、8時間と決めているのか毎日10時には寝ます。寝不足でクルマを運転する危険性は皆さん十分ご承知とは思いますが、平衡感覚や三半規管をフル活用させる三次元の世界では、寝不足は更に命取りになるのです。もちろん競技結果に大きく響きます。

 これに対しグランドクルーはもう少し短めの睡眠時間で日々過ごせます。でも、それでも決して楽な毎日ではありません。ここでひとつ、ザッキーがひとりでやっていた頃のスケジュールを書き出してみましょう。

05時半:起床、パイロットより先にシャワー
06時頃:パイロット起床&シャワー、朝食の準備。
06時半頃:朝食、NHKあまちゃんを見る。
07時頃:朝食終了、昼食のオニギリをつくりながら出動準備。
08時頃:クルマへ積み込み、出発。
08時20分頃:オストロウ滑空場へ到着。機体出撃準備。
09時過ぎ:クルマで機体を牽いてグリッドへ移動。重量測定を受ける。
10時頃:ブリーフィング開始、気象条件&タスクを確認。
10時半頃:ブリーフィング終了。パイロットは作戦を練る。
11時頃:グリッド位置へ、パイロット昼食(オニギリ)
12時頃:曳航開始
13時頃:全機曳航終了、地上クルー昼食(オニギリ)
13時半頃:翌日のバラストに使う水をポリタンクに給水。
14時以降:スーパーへ買い出し、ブログ執筆。
16時頃:リトリブ準備&待機
18時頃:機体撤収。パイロットは当日のGPSログを主催者へ提出。
19時半頃:家に到着。積みおろし。夕食準備。
20時頃:シャワー、夕食。
22時頃:パイロット就寝。

こんな感じです。ちなみに「リトリブ」とは降りてきたグライダーを回収する行為を指します。その際、まるの機体がいつ降りてくるかが大切になりますが、ハンディの無線機では各選手がピットへ送信する「滑走路前10km」のコールが受信できないことが多く、実際には降りてくる機体のコンテストナンバーをチェックし続けることになります。

 これらのルーチンをザッキーはひとりで、そして10日間もやっていたのですね。いやー、本当にお疲れ様です。え? パイロットはさらに長く2週間近く競技しているんだからもっと疲れるんじゃないかって? もちろんその通りです。2週間の長丁場を精神的・肉体的に常に充実した状態で居続けるのは至難の業です。

 果たしてまるがどうやってこの問題を克服しているのか、そして今回の欧州大会はどうだったのか、それはまたの機会に本人に聞いてみましょう。

 それでは、今日はこの辺で失礼させていただきます。またご機嫌よう。

2013/07/25

ヨーロッパ選手権 大会終了後(最終日)

おかげさまで全競技日程を無事終えました。2週間にわたるヨーロッパ選手権のフライトは終了。機体を隅々まで拭いて後片付けです。


 機体をハウストレーラーにしまいます。ハウストレーラーとはグライダーをクルマで牽引したり、保管 するためのトレーラーです。幅15mもあるスタンダードクラスのグライダーもこの通りコンパクトに収まります。ニッポンの国旗も、モンベルやチームまるの ステッカーも剥がし、2週間お世話になった機体にお別れ。なんだか名残惜しいです。

 ディスカス2を貸してくださったポーランドのアダムさんです。今大会はデュオディスカスで20mク ラスに参戦されていました。右から2番目は娘さんのマルタちゃん。大会期間中お父さんにピッタリ寄り添ってずっと応援していました。翼端持ちも彼女の役割 でしたし。お父さんのことが本当に好きなんだなーと思います。でも、これでお別れです。ありがとうございました!

 ディスカス2に張ってあったチームまるステッカーです。こちらもお役御免。2週間お疲れさまー!

 ヨーロッパ選手権はやはり厳しく、でも最高に素晴らしい経験となりました。この2週間、毎日応援し てくださった皆さんに心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。チームまるが目標にする世界選手権は来年の夏、同じくポーランドはレシュノ で行われます。今大会で得られた課題にどう取り組むのか。まるの挑戦はまだまだ続きます。どうかご声援よろしくお願いもうしあげます。

(河村)
 

ヨーロッパ選手権 大会15日目(最終日)

天気は晴れ!ですがかなり涼しく風が吹くと肌寒いくらい。昨日は荒れ荒れのレースとなったためパイ ロットたちは飛びたくてうずうずしています。スタンダードクラスのタスクはこの5日間で一番短い2時間45分設定のAAT(エリアアサインドタスク)。ま るにとって有利な状況になるか?
どんな1日になるのかしらん。本日最終日、引き締まっていこー!


 本日もチケットガールズと。
昨日はまる1人の時にチケットガールズが来たので写真撮れず。それが昨日の敗因では⁇
今日は撮影できたのでこれでバッチリ!


 ラピュタの空へ。まる、最後の出撃です。


 日射でてきました。本日最終日なので山下達郎聞きながら洗車中。そろそろゴールする機体が出て来そう


 まる、戻って来た。お疲れさん!


 無事、着陸!これにて大会終了です。





Day15  Standard Class   Day 33位相当 Total 27位相当
http://www.egc2013.eu/results/


(河村・赤石) 

2013/07/23

チームまる写真館 「2013年ヨーロッパ選手権 大会風景②」

ヨーロッパ選手権大会に参戦している選手の皆さん、運営するスタッフの皆さんをパチリ。

曳航機のチケットを回収したり(まる&ザッキーが言うところの “チケットガールズ”)、ブリーフィング後も刻々と変化する状況をパイロットまで伝えに行ったり、機体に牽引ロープを取り付けたり…。ランウェイ上で休む 暇無く働いているのはこんなに若いグランドクルー達です。おそらく地元クラブチームのクルーじゃないかな、と思います。一番右の女の子がチーフグランドス タッフのポーラさんです。ポーランドの娘はみんな可愛い。いつもありがとう!

 こちら、20mクラスの複座機に乗るアダムさん(Adam Czeladzki)とクリストフ(Krzysztof Trzewik)さん。前にもご紹介しましたが、アダムさんはまるに単座機を貸してくださっているオーナーさんです! 足が不自由でくるま椅子生活なのですが、本来足のペダルで操作すべきラダー(方向舵)を左手で操作できるように改造しています。もちろん、まるの機体にも その装置は付いていますよ。でも手だけで旋回性能をコンビネーションさせるのって難しくないのかなー。




















 スイスチームです。右の女性がチーム・リーダー。ナショナルチームに対するまるの質問に気さくに答えてくださった方です。ありがとうございます!

 チーフ・グランドスタッフの Pola Konkolewska さん(左)と スチュワードの Hans Obermayer さん。ポーラさんの仕事は読んで字のごとく地上作業全般の指揮。「スチュワード」とは大会の運営アドバイザーです。いつもありがとうございます!



もうひとつ、映画じゃないかしらん。と思えるのがグランドクルーの美しさ。もう言葉はいらないですね。彼女の名は ヤゴダ さん。離陸していく曳航機のコンテストナンバーをチェックしています。彼女の電話番号? ボクが教えるワケないじゃないですか。
























 カメラはスポーツです(笑)。大会のチーフ・スチュワート Jada さんが狙っているのは何でしょう?

 彼が狙っていたのはきっとこんな構図です。もう、ほとんど全機上がってしまいましたから。私はローアングル時はうつぶせ派ですけどね!

 私も連投してきましたが、そろそろお迎えの準備をしようと思います。最後はポーランドのグランドクルーの写真でお別れします。可愛いですよね! 彼女達。いつもありがとう!




 


(河村)