2013/03/30

もう一つのグライダー競技 「セールプレーングランプリ」



もうひとつのグライダー競技


サラリーマンパイロット:まるが参加するグライダー世界選手権、プレ大会は4月27日から始まります。日本ではちょうどゴールデンウィークのこの時期、彼は有給を使い倒してポーランドへ飛びます。いよいよ、ですネ。

さて、ここで同じ 国際航空連盟(FAI)が主催するグライダーの大会をもうひとつご紹介しましょう。“セールプレーン・グランプリ” と呼ばれている大会です。

ひとことで言えば “魅せる競技”。F1のように一斉にスタートしてスピードを競います。スタートもゴールも観客の目の前。上空からの実況はもちろん、機体の位置もリアルタイムに伝えられます。ただし同時スタートの都合上、機体が多すぎては危険。ですから予選等で10機前後に絞られて開催されます。まさに空のF1ですね。

昔からオリンピック競技の可否を含めグライダー競技のTV化の難しさはよく議論されてきましたが、この競技はそのひとつの回答と言えるでしょう。

ここでひとつ。「推力を持たないグライダーでスピード競技ってどういうこと? 性能のいい機体が勝つに決まってるじゃない」というビギナーの皆さんに少し解説しておきましょう。実はこのムービーを選んだのもそこに理由があります。

高度を稼いで前に進む


出典:http://www.skyraceworldcup.com/
2分20秒付近から始まる競技の解説。スタートしてすぐに2機が円を描いて高度を上げていくシーンがありますね? 英語の解説では「サーマルを使って上昇する」とありますが、これがグライダー競技をスピード競技たらしめる一番のキモなんです。目に見えないサーマル=上昇気流をいかに見つけ、いかに効率的に高度を稼ぐことができるか?

上昇気流にヒコーキを持ち上げるほどの力があること自体に驚きを持つ方もいらっしゃると思いますが、ここに登場するグライダーは1kmの高度があれば無風で50km先まで飛ぶ性能を持っています。

この素晴らしい滑空能力、旅客機や戦闘機とは次元の違う滑空性能を活かしながら上昇する空気を積極的に利用します。単純な話、飛び続けることで失う高度より周りの空気から得られる高度のほうが多ければ、より高い高度に到達することができるワケです。

それには、通常円筒状に存在する上昇気流の中で飛び続けなければなりません。そして、どこまで上昇してどのタイミングで離脱して前に進むか。より高度を稼げば機体を前傾させてスピードを上げることができますが、サーマルにいる時間が長ければタイムをロスします。

また、進んだ先でサーマルを見つけられなければアウトランディング(飛行場以外でのイリーガルな着陸=やや危険です)するしかありません。ですからサーマルを見つける能力が低い人は十分な高度を得ることなく前に進むことができません。

機上で待ったなしに要求されるもの


出典:http://www.skyraceworldcup.com/
どこでどれだけ高度をかせげば最速のタイムでゴールできるのか、日々刻々と変わる天気の中、その計算も躊躇なく、そして間断なくおこなわなければなりません。羽ばたけぬ人が鳥と同じことをしようと思ったら、大脳をフル回転させるしかないのです。それが1秒を争う競技ともなるとはるかに多くの能力が要求されます。


より強いサーマルを見つける能力。効率的に上昇する能力。上昇率と滑空比、そしてタスクの距離からベストのフライトを組み立てる能力。前に出る勇気。天候、風向きを判断する能力。地形や過去の天候から未来を予想する能力。ありとあらゆる知識と経験が必要なのです。前の投稿でまるが念入りに地図を作っているのはそのためです。

いかがでしょう? これがグライダーによるスピード競技です。正しくはそのフライトの平均スピード、つまるところは “タイム” を競うものなのです。とてもメンタルなスポーツで、場数を踏んだベテラン勢が強い理由も少しはお分かりいただたけたのではないでしょうか。その中で地の利のないニッポン勢がどう戦うのか? 楽しみじゃないですか?

さて映像ではその後、2機が尾根沿いの斜面上昇風を利用しながらゴールへ向かう様子が再現されていますね。でもこのあたり、専門的な話はまた別の機会にいたしましょう。

より駆け引きが多くなる世界選手権


出典:http://www.skyraceworldcup.com/
実際にまるが参戦する世界選手権はこの大会とはルールが違います。スピード競技の大枠は同じですが、いつスタートを切るかは、パイロットの判断に委ねられます。より早いタイムを出すために、より条件のいい時にタスクをこなす必要があるのです。

当日の気象条件の読みも含め、戦いは地上での情報戦から始まります。頭脳戦の要素がさらに増え、条件によってタイム差も開きやすくなります。

いずれ大会が始まれば、まるから当日の天候状況を含めた投稿があると思います。ある程度腕のある方はそちらのレポートをお楽しみに。我ら広報班はその専門用語を平たく言い換える方法を考えねばなりません(笑)。

なお、このブログは パイロット:丸山とチームリーダー:赤石の意志により、グライダービギナーさんが訪れてくれることをひとつの目標にしています。ベテランの皆さんには今さら? の投稿内容も、専門用語ではない表現も多々あると思いますがどうかその辺りはご容赦ください。

逆に広報クルーの表現の間違い、理解の間違いなどございましたら、お教えいただけますと助かります。よろしくお願い申し上げます。

2013/03/28

チームまる写真館「新人合宿」

1990年初夏、舞台は日本学生航空連盟の妻沼滑空場(埼玉県熊谷市)。早稲田大学体育会航空部に入部したての新人が真っ黒な顔を揃えています。実はこの中に丸山と赤石がいます。わかりますか? かの高見教官も広報部の葛谷や私もいます。この年は前後半に分かれていたので実はこの倍の新人がいたんですよ! 後ろに見えるのがJA2365(ASK21)そして鋼管羽布張りのJA2318(ASK13)。その勇姿もいずれご紹介しましょう。

2013/03/24 地図作り

自作MAP(2008年大会用)
フライトのための地図作りも internet のおかげでずいぶん楽になりました。広報チームがblogとfacebook の更新をしている隣でパイロットは地図作りにいそしみました。

  1. 地図の購入
    • ICAO Poland map mapa chart とかでぐぐる
    • 見つかったのがポーランドの航空局と思わしきページ。AIP の電子版もあり。これで飛行場の情報が入手可能
    • Sales & Order のページに販売店の一覧
    • もちろんポーランド語のページしか無いのだが Chrome の翻訳機能で英語に翻訳すれば結構読めます
    • ポーランドは1:500,000 を6枚でカバーされているのですが、過去の競技会のタスクの状況から Poznan (ポーランド中西部)と Wroclaw(ポーランド南西部) 周辺の地図を購入すれば良さそうとあたりをつける。カード決済出来れば楽。カード決済に対応していない会社もあるので、銀行送金になる場合もある。試しに1枚でカバーしている地も購入してみたが大きすぎました。。
    • Jeppesn の map もあるのですが、個人的には ICAO map のほうが読みやすい(緑色の部分が森に対応している。ヨーロッパの平野では森はサーマルソースに対応しています)
    • ヨーロッパに飛びに行くときは大抵これで探し回れば地図が見つかります(ドイツ、フランス、スイス、オーストリア等)
  2. 10km 半径で同心円の書き込み、30 - 45 deg 単位での放射線の書き込み。距離を一覧で分かるように距離をインスタントレタリングで書き込み(詳細はクロスカントリーソアリングを見てください)
  3. 等高線の書き込み
    • google map で地形をチェックすると分かるのですが、レシュノ周辺は100m-200m 程度の微妙な凹凸のある平野になっています。この微妙な凹凸がサーマル発生のための大事なポイントになります。
    • 森のエリアは大抵少し丘になっています
    • google map の凹凸だと正確すぎて分かりづらいので、seeyou の地形図のコントラストを大きくすると丁度良い凹凸が分かるのでこれを手書きで地図に書き込みます(作業時間約6-8h)
  4. サーマルポイント、ウエットエリアの書き込み
  5. Google map の衛星写真と重ね合わせて森のエリアと等高線を突き合わせ
  6. ターンポイントの書き込み(今回だと240個。作業時間12h)
    • TP を手書きすることで地形を頭に入れていきます
  7. 空域の確認
    • 国際線の飛ぶ大きな飛行場が多いので Class-C のエリアには注意が必要
    • 軍用飛行場の周辺にも設定されていますが、Active / non-Active の時があるのでこれは試合当日に発表されます
    • 飛行禁止エリアも軍の演習場などが多いのですが、これも non-Active の時は飛行可能です。森が多く、サーマルポイントに対応してることが多いです。
  8. 必要な部分だけ A1 サイズにカラーコピー
    • 地図は著作権の関係でコピーしてくれないベンダーがあるので注意。A1 で \3,000 くらい
  9. フィルムマット で表面をコーティング
  10. 上記をバックアップ、Task-A, Task-B のために二組作成します。
  11. 上空で地図に書き込むためのペンはダートマグラフ 油性なので上空で汗で消えません。数色用意しておくと、タスクを書いたり、他のクラスのタスクも書き込めるし、風も書き込めるので便利

by 丸山


2013/03/26

2013/03/15-18 クルー合宿

4/22-5/8 でポーランド レシュノで行われるプレ世界選手権のクルーとして福崎さんの同行が決まりました。福崎さんは昨年春から広島在住なので早速丸山家を宿舎として板倉滑空場での3泊4日のクルー合宿を実施しました。

福崎さんには久しぶりの滑空場なのでまずは滑空場でのオペレーションの慣れと体作りから実施します。今回も東工大OBの皆様のDuoDiscusT を借用させて頂いてのフライトとなりました。

3/16のフライト(OLCリンク)

ローカルは寒冷前線の前になってしまい、晴れた3月なのにもかかわらず全く良くなく、先に寒冷前線の通過した北側からずり落ちた後は移動できなくなってしまい、しばらく待機。ようやく前線が接近したことで対流が活性化し、足利でコンバージェンスに入ってからは秩父の手前まで前線が続いていました。その先がうまくつなげずに山越えはできませんでした。アメダスとトレースを重ねてみると地上風の吹き出しと前線の移動の様子がよく分かります。
09:00 地上図 一見西高東低ですが、高気圧に
キンク(曲がり角)があるときは注意

1200 気圧の谷が2本有り、まだもう一本
が抜けきらずきれいに冬型にならない
12:00 奥日光アメダスが北西風
吹きはじめのサイン。
北から冬型になる
1500ようやく2本目の谷が通過
15:00 北西風がしっかりし始めて
前線が形成され始める。珍しく渡良瀬川のほうが早く抜けてきて、足利で妻沼よりも一足先に前線コンタクト。前線をたどって南西へ移動開始


1800 やっと冬型へ





16:00 北西風の強まりで前線が南下していく、前線にあわせて
我々も妻沼直上を通過して南西へ

17:00 風が吹いているのは西は寄居まで、秩父は吹い
ていない。
秩父から先のルートが見当たらず、前線を東北東へ移動。丁度工事中の圏央道上空を移動しながら関宿まで

着陸後、前線はさらに都内へ移動。東京湾を吹き込
んでくる南西風とぶつかり、東京都と埼玉県の県境(川口の荒川のあたり)に前線を形成。良く出現するパターンです。


3/17のフライト




この日は渡良瀬遊水池の野焼きと重なってしまい、野焼きの影響でローカルが良くなかったのでエンジンランで小山市へ、そこからはストリートが鬼怒川の東側に発達しており、栃木ヘリポートまで往復できました。鬼怒川の東には何本か南北の小さな川が流れているのですが、川の間は台地になっており、南風が吹き込む沢状の地形になっている部分があります。今回のフライトですと桑島橋の不時着場の東側がそのポイントで、この場所は南風の時はリフトが発生している可能性の高い場所です。高気圧後面で南風が強まってしまい、予定よりも20分ほど早めにファイナルグライドしています。
鬼怒川とその東が台形になっているのがわかりますか?(航空写真でみると河岸段丘がよく見えます
標高が上がっているところから南風でトリガーされて上がるポイント。ここは必ず上がります。



夜はポーランドでのオペレーションについての打ち合わせを実施、2008年ドイツ世界選手権、2012年ポーランド国内選手権に次いで3度目の海外大会でのクルーなので、慣れたものです。

2013/03/25

トリプルヘッダー

ブログのヘッダーを変えてみた。赤石監督のもと、久野、葛谷、河村の合作です。まるは後ろで4月のプレ大会の準備をしながらニヤニヤしてました。どんなもんでしょ?

広報チーム(仮称)ミーティング

TEAM MARUが誇る広報チームのミーティング。

TEAM MARUのロゴ&ログ構成の案だしと編集中。いい感じのものが出てきました。近日公開予定!お楽しみに♪
(奥は地図づくりに励むパイロットMARU)

2013/03/19

世界選手権プレ大会 クルー決定!

4/27-5/5 ポーランドで行われるグライダー世界選手権プレ大会に日本から同行クルーが決定!
2008年のグライダー世界選手権にもクルー参加のFUKUZAKI氏
気心知れたクルーがいることで、Maruの戦績にも乞うご期待!!

(赤石)

2013/03/11

ポーランド語

今回の課題のひとつ、ポーランド語。ポーランドは英語教育が浸透していて30歳以下のポーランド人は英語OKらしい。

が、英語だけでは生活に支障が出る可能性もあり(2008年ドイツで経験済)、最低限の言葉は押さえていきたいと思い今回も本を調達。

今日の学びはポーランド語を使う人口は約3.5億人いること、ポーランド語特有の文字があること、アクセントは後ろから2つ目の母音にくること。

まずは「あいさつ」を覚えたいと思います。


(赤石)

2013/03/06

2014年世界選手権に向けて

2014年にポーランド レシュノ飛行場で開かれる世界滑空選手権大会に向けての準備を開始しました。準備自体は2011/03 から始めており、様々な条件(環境、技量、仕事、他)が整う目処が見えてきたので再度のチャレンジを決意しました。私にとっては1999年、2008年についでの3回目のチャレンジになります。

開催地はポーランドの西部に位置し、周囲は標高100m 前後の平野地帯です。最寄りの飛行場は Wroclaw になります。日本からの直行便は無く、ヨーロッパ内の都市で乗り換えてのフライトになります。

2011年は長期的に時間がかかるところから、疲れない体作り、体調管理、3年ぶりの海外フライトの再開(NZ, 南フランス)からフライト勘の再構築から始めています。

2012年は大会開催地で行われたポーランド国内選手権に参加。現地視察とレース勘の再構築、トップパイロットの飛び方からの学びを行いました。

本番はいよいよ来年になり、今年は練習量を増やします。4月に開催地ポーランド レシュノ滑空場でのプレ世界選手権大会、7月は隣のOstrow飛行場でのヨーロッパ選手権を使っての練習を予定しています。4月は大会使用機への完熟、現地完熟、7月は使用機体は異なりますが、国際大会レベルの試合でのレース練習、エリア完熟、夏のポーランドウエザーへの完熟が目標です。

2013/03/03

TEAM MARU 広報チーフ

TEAM MARUの広報チーフが決まりました!
某誌編集長の河村さんです。頼もしいメンバが一人、加わりました。